アドバンスコースの受講生の方々を直撃レポート。担当犬との関わりや講座を受けての感想など、実際のスクールの中身が分かります!
実は、モカをお泊りさせるのをためらっていました。
環境の変化によるモカのストレスと、臆病なウチのワンコにかかるストレスを心配していたのです。
それで、お泊りさせる前日に予行練習としてモカを家に連れて帰り、2匹を別々の囲いに入れて対面させました。
最初は吠えたり・唸ったりしていたものの、30分位すると落ち着いたので順々に部屋に出して柵越しに臭いを嗅がせてみました。
そうしたら大丈夫そうなので、2匹を部屋に放してやりました。
モカは一緒に遊びたくて積極的に近づきますが、ウチのワンコはモカには興味があるけれど怖いので、離れたり近寄ったりしながら何度も何度もモカの臭い嗅いで何かを確認しているようでした。
ワンコ2匹が微妙な距離を保ちながらも同じ部屋で過ごせる事が分かり、私も安心しました。
さあ、次はお泊りです。
雨の中、モカを迎えに行きました。
ウチに到着してから1時半位経過した時のこと。
どこからともなく摩訶不思議な音が聞こえてくるではありませんか。ん?何だろうとモカを見ると、口から餃子のような物をポロッと吐き出したのです!急いで紙に包んで拾い上げるとテリーヌみたいな固形物。
頭の中がクエスチョンマークで一杯になりながらも、しげしげと見つめると、血液や異物等は全く含まれておらず、それは“胃から腸に送られる筈の物が逆流して口から飛び出した”としか言いようのない代物です。
モカはケロッとして元気なので緊急事態ではないと判断し、しばらく様子を見る事にしました。
それにしても、でだしからこれでは.....
環境が変わると、ワンコは下痢をしたり食欲が落ちたりしますよね。
けれどもモカは、普段と変わらず元気いっぱいで過ごしました。
夜はケージにカバーをかけてあげると、物音一つ立てずに朝までぐっすり眠り、目の前に出されたご飯は速攻で平らげ、公園に散歩に行くと大量の排泄をし、出会うワンコ達と積極的に挨拶をして相手も活発な場合は嬉しそうに飛び跳ねました。
私はそんなモカの行動を通してモカの良い面をたくさん発見し、また、この頃からモカは「ねえねえ」と私の手や足に右前足を乗せるようになり、可愛さがぐーんと増しました。
モカを用賀に返す日の朝、散歩から戻り玄関横の洗面所でモカの手足を拭いた後のこと。
背後から再び“くぐもった音”が聞こえてきました。ひえーっ。
振り返ってモカを見ると玄関マットの上に座り、泡状の黄色い液を垂らしてました。
私が慌てて近づくとヨロヨロと廊下を歩き今度はキッチンマットの上に座り込みました。
そこでも嘔吐が始まりましたが華々しい音とは裏腹に出てくるのは泡ばかり。
それもそのはず、朝食前でモカの胃の中は空っぽでした。「どうしたの?元気そうにしていたけれどストレスかな?それにしても、なぜ敷物の上で吐いたのだろう?ウチに戻って本能的に居心地の良い場所を選んだのかな?」私の心配や疑問をよそにモカは再び何事もなかったような顔をしてトコトコ走って行きました。
いつも明るくて活発なモカですが、やはり慣れない環境下で体調を崩したのだと思います。
ワンコが繊細な動物だと改めて感じた次第です。
モカが前足を伸ばしてお辞儀したり、片方の前足を上げたり、鼻でウチのワンコの胴体をつついたりして何度も遊ぼうと誘ったにもかかわらず、社会化のできていないウチのワンコは逃げてばかりでした。
さらに追い討ちをかけるように、モカには突然テンションが高くなる時があり、「噛んでやるっ!」と口をあけて威嚇し襲いかかる真似をするので、ウチのワンコは恐れをなしてアンモナイトのように固まっていました。
けれどもモカは決して深追いせず、ウチのワンコもモカに興味津津なので恐々ながら近づくことができるようになりました。
2匹のワンコが折り合いをつけながら暮らす様子や、思い思いの場所に陣取って寝ている姿を見ていると、とても幸せな気持になり、特別に何かをした訳ではないけれど時間があっと言う間に過ぎて行きました。
一緒に散歩に行き、同じ部屋で過ごす事で、ウチのワンコはモカから色々教えてもらったに違いありません。
モカには今後もお泊りに来てもらいウチのワンコに「犬同士の付き合い方」の指導をお願いしたいなあと、勝手に考えています。
犬舎に戻ってから2日後に、モカの左耳の中に赤茶色の垢のようなポチポチが現れているのを発見しました。
幸いな事に前回患った“マラセチア”ではないそうですが消毒してもらっています。
さらにその後、下痢をしまして、それから左耳の下のあたりに掻きむしって化膿した痕があり、その部分の毛がゴワゴワになって触ると痛がります。うーん、お泊りによる疲れがどっと出たのではないと思うですが......とても心配です。
モカの経過につきましては、また改めて。