大門さんの「担当犬（バウム）との奮闘記」　その7

　それからは、1つ1つを少しずつ少しずつバウムの様子を見ながら進めていきました。そして、もう１つ！バウムの大好きなおやつを見つけることが出来たのです。これは何に対しても無敵!!おやつ無し、或いはレバー（今まで使っていたおやつ）では全く出来なかったことでもこのおやつを使ったら1回で出来たのです。この結果にはビックリしました。でも、このタイミングでこれを見つけられたことはとてもラッキーでした。
　 レベルチェック項目では「刺激の中をリード付きで歩く【人が通過・菓子袋カサカサ・拍手】」という項目があります。これは、ほかのわんちゃんも同じですが、バウムは袋の音にとても反応を示します。「袋の中からいいものが出てくる」という条件付けがあるからです。最初は袋に反応してしまい全くダメでしたが、このおやつを使ったときは失敗することなく出来たのでした。袋がカサカサいっても私の横について気にすることなく歩くことが出来ました。本番では、少し気にしてしまい離れてしまいましたが、私の呼びかけに応じて戻ってきたので合格となりました。

　そして、出来ることを何度も繰り返しても仕方がありません。出来ないことを行うにしても「失敗を繰り返さない」ため、その合間に、出来ることを行い「成功をさせる」ことは大切です。出来ないことが続くとわんちゃんは「失敗してもいいんだ・出来なくてもいいんだ」と思ってしまい、出来てほしい行動を覚えなくなってしまいます。
　 トレーニングでは『失敗を繰り返さない・最後には成功をさせて終わらせる』このことがとても大切です。ほかにもたくさんの項目がありますが、私はこの2つの項目が出来たことがとてもうれしかったです。
　 そして、短い3週間を効率よく使うことが出来、合格へと導いた私とバウムのトレーニング内容はとても良かったのだと自信を持って言うことができます。スタッフの方からも「短い間できちんと修正できたね」「模擬レベルチェック後のトレーニング内容がとても効率よくできている」とのお言葉をいただきました。本番では、あまり緊張することなく、クリッカーとおやつを使ってバウムの集中力を失くすことがなかったことも合格への道だったと思っています。これによって自信がついた私は『レベルアップ項目』という難しい項目へと挑戦することにしました。本当に難しいのですが、日常生活で使える項目が多いので、1つ1つをどのようにしてトレーニングをしていったらよいのかをまた、考えながら進めて行きたいと思っています。それによって、飼い主さんへのアドバイス方法も考えられ、伝えられることに繋がると思います。
　私とバウムの時間は残り1ヵ月を切ってしまいましたが、楽しくコミュニケーションをとりながら過ごして行きたいと思っています。トレーニングも気を抜かず、出来ないこと・新しいことにチャレンジしていきたいです。